以前から観たいと思っていたのですが、ボンヤリしているうちに会期が終わってしまいそうでしたので、無理矢理時間を作って出掛けてきました。
評判通り、素晴らしい写真展です。平日にもかかわらず、館内も併設のカフェも結構な賑わいでした。
人類の歩みを被服の歴史として捉えるというテーマで杉本博司が撮った写真のほか、昨年、横浜で公演された「杉本文楽曾根崎心中」の人形と衣装や、ヨコハマトリエンナーレ2011の三番叟公演「神秘域」のためにデザインした衣装、杉本博司所蔵の絵画などが展示されています。
写真はすべてモノクロ。杉本博司お得意のジオラマを撮った作品と、Stylized Sculptureと称される、有名デザイナーの衣装をマネキンに着せて撮った作品があります。
特にStylized Sculptureが素晴らしくて、作品番号054として撮影されたスキャパレリ(Elsa Schiaparelli)の衣装の実物が飾られているのですが、断然、写真の方が魅力的。単なるマネキンなのに、どうしてこんなに美しく撮れるのでしょう。
マドレーヌ・ヴィオネのドレスや、三宅一生や川久保玲といった日本人デザイナーの服を撮った作品も一見の価値ありです。
また、各作品に添えられた杉本博司の解説もひねりがきいていて読みごたえがあります。熟読したくて、この展覧会の写真集「洒落本 秘すれば花」という和綴じの冊子を購入してしまいました。
その他、原美術館の裏庭の室外機が目障りだということで、1本250円の中国製竹ボウキを連ねて作ったという竹穂垣も、ギャラリーⅡのサンルームから見ることができます。スタイリッシュな写真だけでなく、こういう茶目っ気のある作品も作る方なんですね。御徒町出身という経歴と関係ありそうな、なさそうな……。
会期末まであまり日数がありませんが、今日、水曜日は20時まで(入館は19:30まで)オープンしていますので、もしご興味がおありでしたら是非お出掛けになってみてください。
杉本博司 ハダカから被服へ
Hiroshi Sugimoto: From naked to clothed
2012年3月31日(土)〜7月1日(日)
11時から17時まで(水曜は20時まで)
月曜休館
原美術館
http://www.haramuseum.or.jp/
プレスリリース(PDF)
[仕入れ担当]