ロンドン大学付属コートールド美術研究所(The Courtauld Institute of Art)の展示施設、コートールド美術館(Courtauld Gallery)が所蔵する印象派・ポスト印象派の傑作を上野・東京都美術館で観てきました。イギリスの実業家サミュエル・コートールドが1920年代を中心に精力的に収集した作品の数々を、美術研究所で明らかにされた作品の制作背景や時代の状況など大きなパネルで解説し、わかりやすく紹介しています。

美術館がめったに貸し出さないというマネ最晩年の《フォリー=ベルジェールのバー》は、科学調査によるX線画像から、バーメイドの姿勢や鏡像の位置が制作中にいくども修正されたことがわかっています。パリのミュージック・ホールを照らす丸い室内電球は、19世紀初頭に発明されたもので、1880年前後から長時間点灯するように改良されたそう。
19世紀後半パリのファッショントレンドがみてとれるルノワールの《桟敷席》は、ほれ込んだサミュエル・コートールドが、マネの《フォリー=ベルジェールのバー》と並ぶ最高金額11万ドルで買い付けた作品。

サミュエル・コートールドが生涯を通してもっとも多く購入したというセザンヌの油彩は10点も展示されています。

ほかにゴッホ、モネ、ゴーガン、モディリアーニ、ロダンなど、選りすぐりの絵画・彫刻60点とじっくり向き合える展覧会です。
コートールド美術館展 魅惑の印象派
https://courtauld.jp/
2019年12月15日(日)まで
[店長]