世界中のクリエイターから信頼を置かれる椅子張り職人、宮本茂紀氏の仕事を紹介する展覧会です。1953年、椅子張り職人に15歳で弟子入りしてから、いまも現役で国内外のデザイナーとの椅子作り、椅子の修復、オリジナル作品の制作、次世代の育成に携わっています。

デザイナーの自由な発想をカタチにして製品化に繋げる、日本初の家具モデラーでもある宮本氏。建築家ザハ・ハディド氏にとって初の実作となった椅子《Fluffy Chair》の試作品を手がけています。依頼を受けた宮本氏が、まるで哲学者だと表現するザハ氏のデザインを忠実に、かつ安全で用途にも最適なカタチにまとめたものです。

明治〜大正に制作されたこちらの椅子は、華族会館(旧鹿鳴館)で使用されていたもので、宮本氏が修復を担当。竹の節を思わせる木の作りと蒔絵が美しい椅子は、修復前、趣きもなくペンキが上から塗られていた状態だったそう。

年代ごとに使われている素材や構造の違いがわかる展示や、実際に座り心地を試せる椅子もあり。個人的にしっくりきたのは、1870年後頃の馬毛をつめたクッションと、オリジナルデザイン・制作の《Mychair Lサイズ(身長170センチの人向け)》。

技術や知識の継承のためのプロジェクトも紹介されています。
椅子の神様 宮本茂紀の仕事
https://www.livingculture.lixil/topics/gallery/g-1906/
2019年11月23日(土)まで
[店長]