吉田謙吉と12坪の家 LIXILギャラリー

舞台美術を中心に考現学、文筆、装幀、店舗デザインなど幅広いジャンルで活躍した吉田謙吉の展覧会です。広さ12坪の自邸に、自身の職業を象徴する小さなステージとホールを設けた吉田氏のアイデアとユーモアに溢れた空間づくりに迫ります。

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最初に展示されている自邸の模型。1949年に自ら設計したもので、写真右端に見られる部屋がアトリエを兼ねた小ステージ。その真向かいに、居間を兼ねた客席ホールを設けています。ホールでは蚤の市を開催することがあり、開催のたびに凝った手描きのチラシを作って配布したため、たいへん賑わったそうです。

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長年、暮しの工夫というテーマで新聞や雑誌に記事や絵を寄稿していた吉田氏は、洋室に憧れる少女に向けた明るい部屋づくりや、売れない舞台女優のために4畳半でも夢のある住まい方など、ユニークな視点で考案された住まいを楽しむ工夫を提案しています。

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氏は今和次郎氏と共に、世相や風俗の調査、記録、分析を行う考現学を提唱した人物でもあります。彼が採集したデータ、たとえば勤め人の頭髪ポマードのつけ具合やお正月三日間の過ごし方を調べた表、夏にデパートを楽しむ女性たちのファッションや公園でデートする男女のスケッチなども展示されています。

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吉田謙吉と12坪の家 劇的空間の秘密
https://www.livingculture.lixil/topics/gallery/g-1812/
2019年5月25日(土)まで

[店長]