ル・コルビュジエ 絵画から建築へ – ピュリスムの時代 国立西洋美術館

上野・国立西洋美術館の開館60周年を記念して開催されている展覧会です。同館の設計者であり、近代建築の三大巨匠の一人に数えられるル・コルビュジエの若き頃、故郷スイスを離れ、フランス・パリで活動をし始めた約10年間にフォーカスしています。

Lecorbusier_1

1918年末より、画家アメデ・オザンファンと共に、機械文明の進歩に対応した「構築と総合」の芸術を唱えるピュリスム(純粋主義)の運動を推進。絵画制作に取り組む中で、1920年代パリの美術界で出会った芸術家たちとの交流が、新しい建築の創造に繋がっていきます。

オザンファンに油彩の技法を教わり、ピュリスムの画家として駆け出した頃の静物画から、当初は対峙していたキュビスムに共感し、制作された後期の油彩画《多数のオブジェのある静物》に至るまで、大きく展開する造形思考の変化は見どころです。

交流のあったパブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラックの絵画や、アンリ・ローレンスの彫刻も展示されており、フェルナン・レジェ本人から譲り受け自宅に飾っていた《横顔のあるコンポジション》は、その様子を撮影したブラッサイの写真と合わせて観ることができます。

Lecorbusier_2

2016年にユネスコ世界文化遺産に登録された同館の話も聞ける音声ガイドを借りての鑑賞がお勧めです。

ル・コルビュジエ 絵画から建築へ – ピュリスムの時代
https://lecorbusier2019.jp/
2019年5月19日(日)まで

[店長]