ロンドンを拠点にアニメ、映画、コマーシャル、舞台美術など幅広い分野で活躍しつづけている双子のクエイ兄弟、スティーブン・クエイとティモシー・クエイの展覧会です。
1960年代後半、フィラデルフィア芸術大学在学中に手掛けたというフランツ・カフカの短編やレオシュ・ヤナーチェクの音楽に基づいたドローイングから、気鋭の映像作家として注目を集めはじめた80年代半ばの頃のフィルム作品やそのセットを再構成した模型、近年制作された舞台美術まで、彼らの活動を網羅的に紹介しています。
特に引きつけられたのは、デコールという小さな箱に収められた模型。映像作品で実際に使われた人形や背景のセットを再構成したもので、接写レンズで観たり、窓やドアの隙間から覗き込めるものもあります。
本展のポスターになっているアニメーション「ストリート・オブ・クロコダイル(Street of Crocodiles)」のデコール「仕立て屋の店内」には、無表情のパペット、針、糸、はさみなど不安要素がちりばめられています。片隅に置かれた赤・青・緑の生地がセピア色の空間に際立ち、緊張感をあおります。
コミカルなタッチのフィルム「カリグラファー」については、その試作コラージュやデコールも展示。さまざまな角度から作品を観ることができ、二人の独特な美の世界にハマります。
クエイ兄弟 ファントム・ミュージアム 展
http://www.shoto-museum.jp/exhibitions/173quay/
2017年7月23日(日)まで
[店長]