旧石器時代美術の最高傑作といわれるラスコー洞窟の壁画が、上野・国立科学博物館で観られると話題になっています。
クロマニョン人の壁画が残っている洞窟は、フランスやスペインを中心に300以上あるそうですが、ラスコーはその中でも飛び抜けて優れているもの。2万年前の氷期、マンモスやオオツノジカなど今では絶滅した大型動物が歩き回っていた時代に、その動物たちをモチーフにして描いた彩色の壁画です。
会場には、前後左右に伸びる洞窟の全体像が分かるよう縮小サイズの模型が展示されています。
洞窟の中は、高さ7メートル・長さ20メートルほどもある広い空間もあれば、這わなければ行けないほど狭い部分もあり。ライオンやヤマネコなどネコ科の動物のみが描かれた空間や、長い角をもつ不思議な生き物が描かれている空間など、無数の動物や記号のようなものが描かれています。
下の写真は、会場に再現された牝ウシとウマの壁画です。クロマニョン人はまず壁に彫器で線刻し、指を使うほかに、動物の毛でつくられた筆、スタンプ、吹きつけなどの技法を駆使して、赤、黒、茶、黄色、紫など、さまざまな色で描いたそう。
暗闇の中に浮かび上がる演出は、まるでオリジナルの洞窟の中で見ているようです。
世界初公開となるラスコー洞窟で発見された顔料や石器のほか、日本初公開となる美しい毛並みをなめるバイソンの彫刻作品や、槍投げの補助具に装飾された動物彫刻など旧石器時代の芸術を紹介し、謎に包まれたクロマニョン人の正体に迫ります。
フランスで制作された映像やゲームをつかった解説もあり、ご家族で楽しめる展覧会です。
世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画
http://lascaux2016.jp/
2017年2月19日(日)まで
[店長]