「若冲と蕪村」展 サントリー美術館

京都を拠点に活躍した伊藤若冲と、江戸で俳諧を学び、東北地方を放浪した後、京に移って俳画のジャンルを確立した与謝蕪村。

同じ年に生まれた二人の生誕三百年を記念したこの展覧会は、それぞれの生い立ちから晩年までを、交友関係や、影響を与えた中国・沈南蘋の作品などを交え、全7章で紹介するものです。

Jakuchubuson

朱塗りの碗に始まり、鶏、花、野菜、人物画の極彩色と水墨の作品が並ぶ若冲。俳句を添えた山水図や、松尾芭蕉へのオマージュに絵筆をふるった「奥の細道図巻」の蕪村。なかでも、第一展示室から、第二展示室へとフロアを降りた場所に展示されている2人の屏風は見どころです。

若冲82歳のときの作品「象と鯨図屏風」は、白と黒で構成された大胆な構図にため息がでます。そして、それ以上に蕪村67歳のときの作品「山水図屏風」に魅入られました。

銀箔を押した紙に水墨で、山間に流れる水、小舟をこぐ人など、豊かな自然と人々の暮らしを描いています。観る角度によって、光沢のある地が青く反射し、情感あふれます。

85歳まで生きた若冲に対し、蕪村は68歳で没しますが、二人とも最後まで新しいものに挑戦していて、いずれも老いを感じさせない作品ばかりでした。

作品保護のため、展示のほとんどが入れ替えられるそうです。こちらのリスト(PDF)で各作品の展示期間を確認できます。

生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2015_2/index.html
2015年5月10日(日)まで

[店長]