根津のお隣、千駄木駅のすぐそばにある森鷗外記念館へ出掛けてきました。
日本のデパート第一号である三越が、明治30年代〜大正はじめに仕掛けた流行や文化活動と、森鷗外の関わりについて紹介する、秋の特別展を開催しています。
鷗外や母・峰の日記、森家の写真などを取りあげ、洋行帰りの鴎外の視点を通して当時の三越を見ていくという、ちょっとひねった企画です。
明治初期に断髪令が出され、洋装が急速に普及した時代。三越は呉服だけでなく、さまざまな商品を取扱う百貨店として流行を発信していきます。
上の展覧会パンフレットに用いられたデザインは、大正6〜9年頃の包装紙に使われていたもの。欧米で豊かさの象徴とされている山羊の角があしらわれた三越の新館から、さまざまな商品が飛び出しています。
電話販売が本格化した明治44年頃の包装紙には、商品の宣伝と合わせて、24本分の電話番号が記載されていました。
新橋の名妓をモデルにしたポスターや絵はがきをつくったり、PR誌の付録として、当時の社会風俗やファッションが描かれた双六や、三越の商品を使った衣装合わせゲームを付けたり、熱心に広報活動を展開していきます。
明治後期に発売された三越ベールという商品は、女性の肌を日焼けや塵から守ってくれて、かつオシャレといった売りで、大流行したそうです。
また商品を売るだけでなく、食堂や休憩室を設け、ショーウィンドウのディスプレイや夜のイルミネーションを試み、多くのお客さまを集めました。
秋の谷根千散策がてら訪れてみてはいかがでしょうか。
流行をつくる ー三越と鷗外ー
http://moriogai-kinenkan.jp/
文京区立 森鷗外記念館:10時ー18時
2014年11月24日(月・祝)まで
[店長]