展覧会「建築家 ピエール・シャローとガラスの家」パナソニック 汐留ミュージアム

アール・デコが主流だった1920〜1930年代のパリで、家具・インテリアデザイン・建築の分野に独創的でモダンな造形を持ち込んだピエール・シャロー(Pierre Chareau)の回顧展です。

銀座メゾンエルメスを設計した建築家レンゾ・ピアノ(Renzo Piano)も影響を受けたという、シャローの代表作「ガラスの家」をメインに、家具や照明器具、建築模型や図面、映像、写真など約200点をポンピドゥー・センター(Centre Pompidou)のコレクションを中心に展示。会場構成は、みかんぐみです。

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本展覧会のタイトルには建築家とありますが、シャローは専門的に建築を学んだ方ではありません。1900年初頭、英国の家具会社のパリ支店で働き始め、仕事を通じてデザインを学びます。1919年に独立し、注文を受けた作品をさまざまな美術展に出品し、家具やインテリアのデザイナーとして高く評価されるようになります。

シャローの家具の特徴は可動性。ウッドテーブルの1脚にボールキャスターを付けたり、扇形のサイドテーブルを何層にも重ね、広げたり収納できるデザインにしています。

また、機能性を重視しながらも、紫檀など厳選した高級素材を使ったエレガントな家具を制作し、多くの女性顧客にも好まれたそうです。

狭い空間では、天井やつい立てに鏡面を用いたり、壁で仕切らず、床材の変化で区画を分けています。彼の終の住処となった「ワンルームの家」では、壁を作らず暖房や水回りなどを中央に集め、動線をシンプルにしていました。

いまの建築やデザインにつながるピエール・シャローのアイデアが詰まった展覧会です。

建築家 ピエール・シャローとガラスの家
http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/14/140726/
パナソニック 汐留ミュージアム:10時ー18時、水曜休館
2014年10月13日(月・祝)まで

[店長]