東京都美術館では、昨年のリニューアルオープンを機に新たな企画展として、美術館にゆかりのある現代作家の個展を3年周期で開催しています。その第1回目に取り上げられたのが「福田美蘭展」です。
展覧会ポスターにも使われている「アカンサス」という作品は、当時11歳の福田美蘭(Fukuda Miran 1963年東京生まれ)を、父親である故・福田繁雄氏が東京藝術大学の前で撮った写真をベースにしたもの。
2人の母校でもある藝大の徽章、アカンサスの装飾をリング状に重ねて描き、ものを創り出す楽しさや喜びを表現した作品です。
西洋名画をモチーフにした絵画「レンブラントーパレットを持つ自画像」は、レンブラントの複製画に、イメージを広げて描いたもの。美術史上、神秘的に解釈されてきた自画像の背景にある円弧を、ドラえもんの手にしてしまった作品です。
こちらの「ポケットティシュー」は、1994年 新宿・歌舞伎町で開催した自主企画のグループ展で発表したアクションで使われました。表に自身の絵画作品を印刷し、裏に作品と作家の紹介文を掲載した紙を入れ、作家本人が行き交う人々に歩道で配った作品です。
4つのテーマから構成された展示作品の数は約70点。ユニークな作風からなる福田美蘭の世界は、思わずクスっと笑ってしまうものから、心にジーンとくるものまで、多彩に広がります。
上野恩賜公園にある東京都美術館には、根津のモナドからもお散歩がてら歩いて行けます。お天気の良い日に、ぜひ訪れてみてください。
福田美蘭展 Fukuda Miran
http://www.tobikan.jp/museum/2013/2013_fukudamiran.html
https://www.facebook.com/FukudaMiran
東京都美術館:9時30分ー17時30分(9月27日を除く金曜日は20時まで)
2013年9月29日(日)まで
[店長]