モナドから湯島方面へ歩いて5分ほど、不忍池のそばにあるギャラリー&アートブック・ショップ、ストアフロントへ出掛けてきました。
ショップのプレ・オープンを記念した展覧会「クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード展 〜 books, Edition, Printed Matters」が開催中です。
ギャラリースペースには、オリジナルのコラージュや写真、版画作品が展示され、2人の創作活動をまとめた本などが、ショップで展示・販売されています。
クリスト&ジャンヌ=クロードは、1つのプロジェクトが終了すると、その活動をまとめた本を出版していますが、本のデザインやレイアウトは、すべて自分たちで手掛けたものだそうです。
昨年の2人の誕生日である6月13日に出版された“Christo and Jeanne-Claude.75”は、これまでの活動を一つにまとめたもの。生成り色のキャンバス地で装丁された、高さ44センチ、幅33センチ、754ページもある大きな本です。
缶やボトルを包んだ初期の作品から、初めて建物をラッピングしたスイスの美術館、日本とアメリカで計画されたプロジェクト・アンブレラ(当時、モナドの[仕入れ担当]は茨城まで見に行ったそうです)などの他、2人の子供の頃の写真まで紹介されています。
ストアフロント・オーナーの柳正彦さんは、彼らと30年もの間、一緒にお仕事してこられた方。この“Christo and Jeanne-Claude.75”を前に、いろいろなお話を聞かせてくださいました。
これはベルリンの旧ドイツ帝国議会議事堂を包んだ作品。このプロジェクトには、許可を取るまでに24年、許可がおりてからの準備期間が2年、そして包むために1ヶ月かかったそうですから、その年月を聞いただけでも壮大です。
カリフォルニアで計画していたプロジェクト<ランニング・フェンス>で、地元の強い反対があったとき、力になって支えてくれたのが、そこに住んでいたスヌーピーの作者、シュルツ(Charles Monroe Schulz)。<包まれたスヌーピーの犬小屋>が制作された背景には、シュルツとクリストの知られざる友情があったそうです。
ほかにも、ジャンヌと結婚する前、クリストはジャンヌの妹と付き合っていたとか、ジャンヌはその前に母親から薦められた結婚をしているので、クリストとは再婚だったとか……。
“Christo and Jeanne-Claude.75”の出版を前に、ジャンヌは亡くなってしまうのですが、「二人のこれまでをまとめた本を出したりするから、ジャンヌはいなくなってしまったのかな」なんて、クリストが話していたそうです。
他所では聞けない、スペシャルなお話をお聞きになれると思います。おすすめです。
クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード展 〜 Books, Editions, Printed Matters
http://www.storefront-art.com/
2011年10月31日(月)まで
11:00〜18:00(木曜〜土曜のみ)
※詳しい開催情報についてはお問い合わせください。
STORE FRONT
台東区池之端2-1-45パシフィックパレス池之端#103(1階ロビー奥)
03-3824-1944
[店長]